目次
原作・登場キャラクター
原作
キャラクター
どんな作品?
あかね風が止まり、部屋の中には静けさが満ちていた。古びた石造りの屋敷の一室で、ラムと俺――ふたりだけだったよ



ラムは窓辺からゆっくりとこちらを振り返るのよ。ピンクの髪が光を反射し、その片目にだけ映る俺の姿を切り取ったでしょ



……おかしいですね。こんな状況で、あなたは私を求めるなんてって、ラムが言うんだよね



それとも、命の危機の前では、本能に正直になるということですか?変態さん。相変わらずの毒舌なんだけど、声はどこか柔らかかったわ



彼女の指が、そっと首元のボタンにかかるよ。……ちょっとだけ、気が向いただけです。勘違いしないでって



パチン、とボタンが外れる音。その瞬間、部屋の空気が変わったのよ



ラムが一歩、また一歩と近づいてくる。その足取りは静かで、しかし確実に俺の心をかき乱していくよね



あなたって……優しそうに見えて、目つきがいやらしいですね。目の前に立った彼女は、膝をついて俺を見上げたでしょ



氷のように冷たい瞳。だけど、その奥には何か、熱いものが揺れていたよ



……あまり、見ないでください。恥ずかしいので。自分から近づいておいて、そんなことを言うんだけど



でも、頬を染めて目を逸らすその仕草は――どんな色香よりも俺の理性を揺るがせたよね。ラムの手が、そっと俺の腕に触れる



指先はかすかに震えていて、けれどその震えには決意があったのよ。……私、ずっと、我慢してましたって囁くような声



肩越しに顔を寄せた彼女の吐息が、耳をかすめた。ずっと……あなたのこと、欲しかったって



その瞬間、何かが弾けた。唇が重なる。互いの吐息が交じり合うわ



……っ……ん……は……声……だしたら……怒りますから……彼女の声は、まるで鋭く張り詰めた弦が震えるように艶めいていたよ



けれど、叫び声はない。ただ、肩にしがみつき、唇を噛み、押し殺すような――でしょ



……ふっ……あ……やっぱり……嫌いです……でも、好き……っ。ラムは涙を浮かべながらも、心を許していたんだ



そして俺もまた、彼女の痛みも過去も全部、抱きしめたいと思ったのよ。夜はまだ、終わらないわ
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