目次
原作・登場キャラクター
原作
どんな作品?
あかね外では氷狼が唸っていたの。この小屋に見つかれば命はないよ



けれど彼女の瞳はそれどころじゃなかったでしょ



…な、なぁ……ここじゃ……まずい……って俺の言葉に、彼女は首を横に振るんだ



銀の髪が肩に触れてさらりと落ちるのよ



……でも……お願い。今だけ……って吐息のような声で、確かな決意があるわ



小さく俺の胸に顔をうずめる彼女の体はわずかに震えていたんだけど



寒さじゃないよ――期待と戸惑いと抑えきれない何かだって



指が触れるたびに彼女の身体が微かに跳ねるのよ



ふるえる唇が息を殺して耐えていて……っふ……ん……あ……って聞こえるか聞こえないか



いや聞こえないように彼女は耐えていたわ



……声……出しちゃだめ……だよ……外に……気配、あるから……って



その声が切なくて愛しくて痛いほどだって



指先に感じる鼓動。重なる肌と肌の間で声にならない叫びが響いていたの



……っ……あ……ぅ……っって彼女は俺の肩に爪を立て声押し殺して震えたでしょ



唇を噛みしめながら目だけで――もっとって訴えていたよ



外の風が唸る中、小さな小屋の中だけがもうひとつの世界なのよ



言葉はいらない。ただ心と心が溶け合う音だけがそこにあったんだ
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